ホームイベント報告 院進学イベント「院進学Q&A」開催しました(聴講記)

院進学イベント「院進学Q&A」開催しました(聴講記)

2013年12月2日(月)、5日(木)、12日(木)3日間にわたって、院進学イベント「院進学Q&A」を開催しました。

 

 

開催日:2013年12月2日(月)

講演者:菊池 夢二さん

東京学芸大学 学校心理専攻 学校心理コース(予定)

(明治学院大学心理学部教育発達学科4年 藤﨑ゼミ所属)

 

1.院進学を決めたきっかけ

3年次春に3.11を経験し、自分が感じる様々な疑問を調べるようになり、勉強の楽しさを実感した。社会に必要とされている能力とは何かを研究してみたいと思い、子どもや青少年の発達課題を調べるため、専門的な勉強が出来る大学院に進むことを決断する。

 

2.心理学を研究するうえでの勉強方法

自分が感じた多くの社会的課題に明確な疑問を持ち、それを解決すること。そのためには、一つの発想からたくさんの意味ネットワークを広げることが必要である。菊池さんはこの勉強法により、分野に縛られずに発達課題を捉えることが出来た。

 

3.大学院の選び方

菊池さんが重視していたのは、①自分の研究が出来る場所であること②関連研究をしている先生がいること③所得可能な資格④研究所、施設の充実の4点であった。菊池さんは、それ以外にも院に通いながら非常勤講師として働ける点も魅力に感じたため、外部受験を決断した。

 

4.院試のために今やっておくべきこと

→自分が関心を持つ分野の英語論文を読んでみること。

(英単語を覚えるより心理学の知識も付くため効果的である。)

→大学院でやりたいこと、その後の進路を考えていくためにも大学生活で実践的経験を多く積んでおくこと。

(サークル、ボランティア、毎回の講義など)

★この二つをやっておけば、院試のための勉強を一から始めなくても土台ができるはず!

 

5.1.2年生に今、伝えておきたいこと

進路を考えるうえで、「ねばならない」という感覚にとらわれず、「やりたい」「好き」という自分が純粋に想う気持ちを大切にしてほしい!

悩むことそのものが今の大学生における発達課題だと思うので、思う存分悩んで進路を決めることが大事だと思う。

 

 

開催日:2013年12月5日(木)

講演者:田村 朋子さん

明治学院大学大学院 心理学研究科

心理学専攻 臨床心理学コース修士課程1年

(伊藤ゼミ所属)

 

1.院進学を決めたきっかけ

三年次に先生の勧めで学習支援のボランティアを始め、多くの人と関わるようになる。自分がもっと役に立つためにはどうすればよいのか考え、専門的な勉強をするため、院進学を考えるようになった。

 

2.大学院の選び方

→専任教員、自分が修論を指導していただく先生の専門領域を見るなど、各大学院の特徴を把握する。

→学内実習、学外実習をどのように進めていくのか実習体制を見ておく。

(自分で行く施設を決めるのか、大学側が指定した施設に行くのかなど。)

→どのタイミングで実習が入るのかなど、具体的な授業カリキュラムを確認する。

★臨床心理士の資格取得を目指すなら、どの種類の指定大学院に属しているのかも要確認!

 

3.院試に向けてやるべきこと

専門科目:概要や心理学用語を複数の参考書、辞典を使って単語帳やノートにまとめる。

キーワードを使って語句を説明できるよう指定された字数、設定で書けるように練習する。勉強会などで友人とのディスカッションをするのもおすすめ。

英語:ヒルガードの心理学、対策テキスト、過去問、英語論文など。

研究計画書:修論で何を研究したいのかを明確にするために、卒論のテーマを早めに考えておく。修論は、卒論から研究テーマを発展させることが多いため。

 

4.院生活について

→授業は、座学が少なく発表やディスカッションなどが多いため、積極的な姿勢が大切。ゼミは修論指導に全て当てられるため、早めの準備が必要。

→必修の授業は2,3週間で発表の順番が回るため、空き時間はレジュメの作成に追われる。

→実習やボランティア、大学の授業の手伝いなど、人によって生活スタイルはさまざまである。

 

5.1.2年生に今、伝えておきたいこと

院に向けての勉強は確かに大切だけど、今一生懸命にやれていること(バイトやサークル、日々の授業)を続けてほしい!そこで得た力が進路を決めていくうえでも重要だと思う。

 

 

開催日:2013年12月12日(木) 前半

講演者: 山田佑紀美さん

 

1.プロフィール

明治学院大学 心理学部心理学科 卒業(2012年度)

白金心理学会事務局 アルバイト勤務(2013年4月~)

東洋英和女学院大学大学院 人間科学研究科

臨床心理学領域 進学予定(2014年度~)

 

現在は2月に行われる院試に向け、予備校に通いながら、白金心理学会の事務局で勤務。空いた時間には学会への参加や精神科クリニックでのボランティア、研究テーマについての知識を深めるための読書などを行っている。

卒論では「病気とその治療法の説明の違いが病気への理解と不安に与える影響」いわゆるインフォームドコンセントについて研究をし、今後も病気を抱える人(特に小児)の心理的ケアについて研究をする予定だ。

 

2.院進学を決めたきっかけ

人の役に立つ仕事がしたく、かつ臨床心理士に興味があった。企業で働くよりも密に人と関わりたいと考えた。ある先生に「山田さんは将来どんな心理士になりたいか」と聞かれ、その答えをじっくり考えているうちに、辛い環境の中でも笑顔をつくりたいと思い、病院にいる子どもたちの支援をしたいと考えるようになった。そしてこのことを卒論や研究計画書のテーマにした。

*研究計画書…大学院入学後に自分の進めたい研究について記すもの。願書と共に提出。

 

3.大学生へ向けたアドバイス-その1-

どんな人になりたいか、どんな将来を思い描いているのか、どんな心理士になりたいのか、心理士になってどこで何をしたいのか、どんな分野・領域に興味があるのか...とにかく自分と向き合ってほしい。また、ボランティア、サークル、アルバイトや学会参加など様々な経験から多くの発見をすれば、やりたいことが見つかるかもしれない。

 

4.大学院の選び方

そもそも心理系大学院には、

・第一種指定校…修了後、実務経験をせずに臨床心理士試験が受験できる。

・第二種指定校…修了後、実務経験1年を経て臨床心理士試験が受験できる。

まずは、インターネット、書籍、大学院説明会などで情報収集を。誰でも参加可能な予備校の講義を受講することもおすすめ。自分の研究分野の先生がいるか、どんなカリキュラムか、学費はいくらか、立地、就職状況、雰囲気などを知っておくとよい。

他には、研究室訪問を必ずするべき。大学院事務局に問い合わせ、訪問の際には研究計画書を持っていくとベスト。山田さんは教授のメールアドレスを聞き、直接アポをとった。そこでOGOBを紹介してもらい、ご飯を食べながら多くの話を聞いたそうだ。

 

5.勉強方法

《専門科目》

→出題形式は穴埋め、用語説明、論述

→マインドマップで心理学のキーワードを分野別にまとめる。

→単語帳を作成し、表に用語、裏に200~300字程度の説明を書く。

→過去問、参考書を使って論述練習。

・自分の言葉で単語をまとめることで理解力UP!

・複数の本を用いて勉強することで知識の偏りを防ぐ。

《英語》

→出題形式は和訳、要約

→文法の復習、専門用語の英単語を覚える、心理学の論文を読む。

・英語がわからなくても心理学の知識があれば補えるので、心理学の論文を読みながら」勉強するのがベスト。

《面接》

→志望理由、研究計画書について、卒論について、将来の進路、長・短所、大学で頑張ったことなど聞かれる。

→大学院によって形式が異なるので、OGOB訪問の際に事前に聞いておくとよい。

《参考書》

・心理学(有斐閣)

・臨床心理学キーワード

・よくわかる○○心理学シリーズ

・ハンドブックシリーズ

・授業プリント

・ヒルガードの心理学

・UNDERSTAND PSYCHOLOGY

 

 

開催日:2013年12月12日(木) 後半

講演者:須藤 竜之介さん

 

1.プロフィール

明治学院大学大学院 心理学研究科 心理学専攻
教育・発達コース修士課程2年生

 

2.院進学を決めたきっかけ

大学院進学については、1,2年の時期には漠然と考えていた。意識し始めたのは、3年の前期、進学を決意したのは3年の後期だったが、その間就職活動の波に乗り遅れてしまったため、院進学を決意したというのもある。また、勉強を始めたのは4年の春頃からで、明治学院大学院のみを受験した。

3. 大学院進学のために早めにやっておくと良いこと

英語、統計法、研究法、パソコン操作の4つである。英語については、院生活の中で論文読解は日常的になるということと、大学院試では特に差が出やすい科目のため。統計法、研究法については、大学院に入ってから、論文を書くためにデータを集計することが多くある。その際に、統計法、研究法は必要になってくるため。パソコン操作については、データを集計し、分析を行う際に、パソコンを使うことがほとんどのため、パソコン操作に慣れていることはある程度必要。

4. 実際に院生活をすごしてみて

学部生時代に特に何もしてなかったため、自身の伸びしろが感じられとても楽しい。しかし、社会人になった同期や親の冷たい視線を感じることもある。