ホームゼミ情報 2019年度 ゼミ情報 2019’小野ゼミ

2019年度 ゼミ情報2019-seminar

小野先生とゼミのプロフィール(専門分野・扱うテーマ)

プロフィール

中学校において中間・期末テストで成績が学年1番になったことがありました。すると先生たちは、私に「A高校を受けなさい。」、「T大学を受けなさい。」とことあるごとにいわれるようになりました。そのときの私は、なりたい職業を決めていませんでしたので、「職業を決定していないものに何で特定の学校を勧めるのだろう」と疑問に思い、慌てて将来を考えました。私が、そこで出した結論は、「困った人の役に立つ人間になる」でした。中学校卒業以降は、偏差値ではなく、この結論に適う教育が受けられるかどうかで高校、大学等を選択しようとしました。

ところが、当時の私は、真に他者の問題を解決できる研究者、臨床家を探し出すことができていなかったのです。探索の時期があり、そして、天は、本物との出会いを私に与えて下さいました。そして、それは修行の始まりでした。初めて担当した事例、ある悩みを持つ生徒から再登校支援依頼を受け、支援をしました。その結果、その生徒の再登校及び継続登校を実現することができ、依頼に応えることができました。この時の他者のために役に立てたという喜びが、中学生時の結論の実現の第1歩であり、後の私の教育・研究生活の基礎となりました。現在までに、多様なタイプの不登校、問題行動の支援、学校単位、市町単位の不登校ゼロや半減を達成してきましたが、その経験は、私に人間が夢を達成するためには何が必要かを教えてくれました。

ゼミは、他者支援の実践、例えば、様々な問題行動の解決、学力・体力アップ、社会的スキルアップ、不安低減、生活習慣改善、保護者支援等の実践(個別、集団)に関するテーマで各自が興味を持ったことを調べ、発表、討論することが主な活動となります。

また、他大学や現職の先生方との交流の機会も設定する予定です。筑波大学、慶応義塾大学、学習院大学、筑波大学附属大塚特別支援学校、東京都立桐ヶ丘高校、東京都内の区市町教育委員会と共同研究会、見学会、セッションへの参加を計画中です。さらに鎌倉市稲村ガ崎にある寸心荘(西田幾多郎記念館)において、生命倫理を考える夏合宿(バーベキューも含む)も検討中です。

条件となる履修科目の有無

〇2年時に履修しておきたい科目と3年時に履修しなければならない科目
教育発達学方法論(体験活動)

先生から一言

〇キリスト教に基づく人間愛を理解する構えのある学生さんを求めます。子どもたちに対する愛情があってこそ、他者を支援するための科学は発展すると考えるからです。
〇実際の支援方法は、仮説検証の科学する行為であることを理解しようとする学生さんを求めます。
〇多様な分野において、日本でトップクラスの方々との交流の機会を設定しますので、それらの方々から謙虚に学ぶ姿勢を求めます。内省し思索し行動力のある学生さんは大歓迎です。

ゼミ生にインタビュー

学生から見た先生のイメージ

・博識(『当事者の生の声から学ぶ教師と保護者の協働による不登校支援』『不登校の本質: 不登校問題で悩める保護者の皆さんのために』等、多くの著書を書かれています)
・グルメ(美味しいお店をたくさんご存知です。こだわりもあるのだとか)
・ テーブルゲームが好き(勝たれると大変嬉しそうにされます)

ゼミの人数

3年生 11名
4年生 8名
大学院生 2名

卒業後の希望進路

小学校教員、幼稚園教諭、大学院、一般企業、公務員

進路実績

・小学校/幼稚園教員
過去実績:東京都、さいたま市、埼玉県、横浜市の小学校教諭等
・公務員
過去実績:埼玉県、東京都、法務教官等
・一般企業
過去実績:みずほ銀行、三井住友銀行、JTB、ANAグランドサービス、ブリヂストン、新興出版社啓林館等
(今年は株式会社ブリヂストン,株式会社べべ,株式会社フーレイ等への内定をもらった先輩方がいらっしゃいます)

研究や活動内容(実習の有無等)

・ゼミ論の作成
・再登校支援の事例についての討論(認知・行動療法やその中の応用行動分析といった行動主義の立場から、事例検討を行っています)
・実際に支援の現場に参加できる(ボランティアを含め、実際の教育現場に関わる機会を頂けます)
・小野先生主催の研究会に参加できる(白金研)
・ゼミ合宿
(2019年度は伊東で行いました。合宿中は観光、学年を越えたレクリエーションも行います)
・4年生や院生の方から、就活(進路)、ゼミ論、卒論について話を伺える合同ゼミ
・卒論の作成

ゼミ生からひとこと!

○このゼミを選んだ理由
 再登校支援について実際に先生が行った実績を基に討論を行うという機会に興味があったためです。また、実際に現場に行って関わる事が出来るという貴重な経験に興味を持ちました。

○実際に入ってみての感想
 教員になる人、ならない人、悩んでいる人…様々な進路の人が再登校支援という一つの共通した観点で討論を行うため様々な視点に触れる事が出来ます。
 また、小野先生が授業の内容にかかわらず話題をゼミ生に振られる事も多いので、自然とゼミの人たちと話す機会が増えます。

○ゼミの自慢など
 小野先生は認知・行動療法による再登校支援のエキスパートで、各地で講演会を行う事も多いです。通常授業では10ステップ等の表や図を使った段階的な支援を学び、ゼミでは更にその支援を実際に行った際の経過などを先生や先輩方から教えていただく事が出来ます。
 ゼミで学ぶ行動療法は、人間の行動全般に関わるスキルを養う事が必要になります。それを生かせる場として教育の場を主体としていますが、これによって学んだ事を生かせる場は学校現場にとどまらず様々な環境に進んでも生かせる能力を培う事が出来ます。
 院生の方やOBの方とも関わる機会が多く、就職や進学についての相談や、そうでなくとも未来への道筋を具体的にイメージしやすくする話を伺える時が多いと思います。
 また、就職率が毎年高い(昨年まで100%)ことも特徴です。先輩方の就職先は先生から朗報として聞かせていただく事が出来るため、将来の就職先の展望が見やすくなると感じます。