大学院進学を考えているみなさんへ~修了生からのメッセージ~

須田 望

2019年3月修士課程修了。現在、株式会社日経リサーチ 統計調査本部 統計調査部勤務

大学院進学の理由

「心理統計学であれば、今よりももっと多くの人の役に立つことができる」と感じたことが進学理由です。進学を決意した時点では、社会的にデータサイエンスの需要があることを知りませんでした。今でこそ実際にデータサイエンスに関わる仕事ができていますが、直感を信じた選択をして良かったと思っています。

大学院時代の研究について

「養育が子どもの向社会的行動に与える影響―共感性を媒介してー」というのが私の修士論文の研究テーマでした。教育心理学的な概念間の関係を心理統計学で精緻に検討したものです。その他にも同研究室の後輩を筆頭に、企業の方々との共同研究にも携わりました。一つのテーマに対して長い時間をかけて、自分が納得するまで向き合うことはとても楽しかったです。社会人になって感じることは、自分の納得感を得ることと利益を出すことの間の相関は高くないということです。研究をする、ということは貴重な体験だと思います。

現在の仕事について

私は現在、調査会社でデータサイエンスに関する仕事をしています。クライアントからの依頼内容に沿って、データ加工することはもちろん、簡単な集計表の作成から必要に応じて高度な統計解析まで行います。また、データ加工や統計解析にはプログラミングを用いています。実際にSQL、SAS、Python、R、VBAなどのプログラミングを用い、クライアントの要望に答えていきます。クライアントは一般企業、行政、大学などと多岐にわたり、依頼内容も様々です。

どのように大学院での学びを活かしているか

当然、データ加工においてはプログラミングを、統計解析においては統計学の知識を用います。私は大学院で心理統計学を専攻していたため、そのどちらの素養も身につけることができていたと思います。その他にも、課題解決力・論理的思考力のような社会人として求められる能力も、大学院での活動を通して、自然と身についていました。特に修士論文執筆がそういった能力を育てる大きな要因になっていたと思います。