教員プロフィール

教授
小林 潤一郎(こばやし じゅんいちろう)

所属

・教育発達学科
・修士課程 教育発達学専攻

専門領域

・障害児医学
・発達小児科学

授業内容

私が担当するのは、「知的障害の病理」「肢体不自由の心理、生理、病理」「病弱の心理・生理・病理」など障害児医学に関する科目で、それぞれ、精神発達の障害、運動発達の障害、子どもの慢性疾患を取り上げます。「病理」というのは、病気の成り立ち、しくみといった意味で、障害や疾患の種類や症状を解説するものです。いずれも特別支援学校教員免許取得に必要な科目となっています。

ところで、教員免許を取るのに、どうして障害児医学を学ぶ必要があるのでしょうか?不思議に思われる方も少なくないかも知れません。でも良く考えてみてください。学校にはすべての子どもが通います。障害のある子どもにとって、学校で十分な教育を受け、人間的に成長することは、障害のない子ども以上に重要なことです。しかし、障害のある子どもはしばしば学ぶことに困難を持っています。彼らに何をどう教えるか、教師の腕が問われます。子どもが新しいことを学ぶには意欲が必要です。彼らの学ぶ意欲をどう育てるか、教師の腕にかかっています。子どもに障害があるなら、それがどんな障害であって、子どもの学校生活にどのように影響しているのかを知ることが、子どもを教育するためにどうしても必要なのです。

「知的障害の病理」では、ダウン症候群などの知的障害を生じる疾患、自閉症スペクトラム障害、注意欠如多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)な どの発達障害、それらに合併しやすい心の健康問題などについて講義します。知的障害、発達障害の子どもが意欲的に授業に参加でき、学校生活を楽しむことができているとしたら、彼らの心はとても健康に保たれているでしょう。健康でいることで彼らはさらに多くのことを学ぶことができます。障害児医学は特別支援教育を支え、特別支援教育は子どもの心を支えています。学校を舞台に障害のある子どもの心をどう支え、彼らの未来をどう開くか、講義を通じて考えていきます。

メッセージ

「子どもの心を支える仕事」はとても素晴らしい仕事です。これまで私のゼミ(旧心理学科、大学院)で学び、卒業後、特別支援学校教員、小学校教員、心理職(特別支援教育センター相談員、療育センター心理士など)、療育センター児童指導員などになり、子どもの心を支える現場で活躍している先輩たちがたくさんいます。教師になるか心理士になるか、それとも別の新たな道に進むか、それは大学時代に時間をかけて決めれば良いことです。「子どもの心を支えたい」、その思いが道を開きます。教育発達学科は皆さんの思いを応援します。

経歴

筑波大学医学専門学群卒業後、静岡県立こども病院小児科、神経科を経て、1998年から本学心理学科教員(障害児医学)。2005年オーストラリア・モナッシュ大学心の医療部留学。2010年より現職。横浜市の療育センターで自閉症の子どもたちを診療し、特別支援学校で精神科校医の仕事もしています。

取得資格・所属学会

  • 小児科専門医

  • 心身医療「小児科」専門医

  • 子どものこころ専門医

代表的な論文・著書名

  • 小林潤一郎、宮本信也、土橋 圭子 2010 病弱・虚弱児の医療・療育・教育 改訂2版 金芳堂(共著)

  • 小林潤一郎、伊藤利之、小池純子 2008 発達障害児のリハビリテーション―運動発達系障害と精神発達系障害  永井書店 (共著)