博士前期課程 臨床心理学コース




コースの特色


臨床心理学コースは、臨床心理士養成大学院第1種指定校であり、修了生は「臨床心理士資格試験」の受験資格を得られます。また、2018年度より国家資格である公認心理師の養成カリキュラムにも対応しています。修了生の合格率は非常に高い実績があります。
さらに、修了生の就職状況も非常に良好で、半数以上が修了と同時に常勤職で採用されています。就職先の一例として、医療センター(心理療法士)、精神科病院(心理士)、クリニック(心理士)、児童養護施設(心理療法士)、児童相談所(心理判定員)、スクールカウンセラー、大学学生相談室カウンセラー、就労支援事業所(心理士)等が挙げられます。

コースの特色

臨床心理学コースは、臨床心理士養成大学院第1種指定校であり、修了生は「臨床心理士資格試験」の受験資格を得られます。また、2018年度より国家資格である公認心理師の養成カリキュラムにも対応しています。修了生の合格率は非常に高い実績があります。
さらに、修了生の就職状況も非常に良好で、半数以上が修了と同時に常勤職で採用されています。就職先の一例として、医療センター(心理療法士)、精神科病院(心理士)、クリニック(心理士)、児童養護施設(心理療法士)、児童相談所(心理判定員)、スクールカウンセラー、大学学生相談室カウンセラー、就労支援事業所(心理士)等が挙げられます。

パンフレット誤記のお詫びと訂正

現在配布中の2025大学院案内パンフレットにおきまして、記載内容を一部訂正いたします。

「2025大学院案内パンフレット」 22ページ

【誤】2023(2022年度修了生)
   臨床心理士試験合格率 91.6%
   公認心理師試験合格率 100%

【正】2023(2022年度修了生)
   臨床心理士試験合格率 100%
   公認心理師試験合格率 91.6%

以上

実習について

本学の実習は、公認心理師カリキュラムと臨床心理士カリキュラムの両方に対応しています。実習は大きく学内実習と学外実習に分けることができます。学内実習とは学内の心理臨床センターで行われる実習であり、5名のスーパーバイザーによりきめ細かな指導が行われています。博士前期課程1年次の春学期から心理臨床センター内での実習がスタートし、スーパーバイザーによる小グループでの指導を受けながら、実際の臨床ケースに対する理解を深めていきます。春学期の成績が基準を満たした大学院生は、博士前期課程1年の末から、心理臨床センターでのカウンセリングや心理検査を担当しながら、実践経験を土台にした臨床力を身につける指導を受けます。一方学外実習については、医療・保健分野、教育分野、福祉分野、産業分野、司法・矯正分野といった様々な分野の実習先に伺い臨床心理士や公認心理師が活躍する現場を実際に学ぶことができます。学外実習の流れとしては博士前期課程1年次の春学期に見学実習と短期集中実習秋学期に半期継続実習博士前期課程2年次の春学期に半期継続実習に伺います。特に半期継続実習では半期に渡って合計120時間以上の実習に臨みます。

担当教員名、専門領域、主な研究指導内容

専門領域

学校臨床心理学

研究指導内容

本研究室では、(1)学校臨床心理学に関する諸テーマ(不登校、いじめ、学級適応、援助要請行動、過剰適応、スクールカウンセリングなど)、(2)精神的不適応の予防、精神的健康の増進に関する諸テーマ(特に認知的要因やポジティブ心理学的要素を取り上げた研究。例えば、抑うつや精神的不適応の認知的要因、主観的幸福感の要因、レジリエンス、コーピング、強みなど)の研究指導を主に行っています。研究に取り組む際には、「どうして問題が生じるか」だけでなく「どうやったらより良くなれるか、心の健康を向上できるか」「問題が予防できるか」という視点を大事にしたいと考えています。

専門領域

グループアプローチ、福祉心理学

研究指導内容

産業、教育、医療、福祉、司法な、さまざまな心理支援の現場において必要とされるグループアプローチについて、基礎理論と実践から学びます。
また、周産期から高齢者まで、さまざまなライフサイクルの中で必要とされる福祉心理学的支援について、社会学的視点も含め、実践的に学びます。

専門領域

家族心理学

研究指導内容

カップルセラピー、家族療法、家族心理学、アサーショントレーニング、個人療法と家族療法の統合等を研究指導

専門領域

臨床心理学、認知行動療法(認知行動的アプローチ)

研究指導内容

認知行動療法(認知行動的アプローチ)は、被支援者が抱える問題を環境と個人の相互作用として円環的に理解し、被支援者とチームを組んで問題の解決を試みる支持的・指示的な心理療法です。学習心理学や認知心理学を初めとした基礎系心理学の知見を積極的に活用するとともに、実証性を重視することも特徴です。
ゼミで扱うテーマは、主に青年期以降(成人)の心理社会的問題に対する認知行動療法や心理的ストレスを中心に、健康心理学やパーソナリティ心理学、行動医学などの近接諸分野の研究になります。ゼミでは、自身の関心のあるテーマについて、認知行動療法(認知行動的アプローチ)の観点から問題を理解し、心理的支援への具体的な示唆を提案できるように指導します。

専門領域

臨床精神医学、社会精神医学

研究指導内容

私の専門は精神医学ですが、臨床精神医学の分野では、摂食障害、地域における産後メンタルヘルスの援助、病院や地域での多職種連携などを専門としています。摂食障害の分野では、認知行動療法など心理的な治療法が用いられており、また、スクールカウンセラーと医療機関の連携も欠かせません。産後のうつ病などでは、子育て援助のためには、医学的治療に加えて、保護者の心理を理解することで子育て援助が可能となります。このような精神医学と臨床心理学の重なる研究領域を指導します。また、精神疾患が早く発見され、治療されるためには、社会の中で精神疾患がどのように理解されているか、どのようにイメージを持たれているかが非常に重要です。このような、精神医学と社会との接点に関する社会精神医学の領域についても指導します。

専門領域

心理査定、心理療法

研究指導内容

描画法をはじめとする投映法や各種心理検査を用いて、精神的な問題やそれへの支援に関する研究を行います。心理検査は、実施や解釈に時間と根気を要しますが、ひとつひとつの言動を丁寧に捉え接するという臨床心理学の本質を体現するものです。クライエント理解と今後の支援に少しでも役立つよう、心理検査でえられた反応を丁寧に読み解く姿勢を育みます。また、抑うつや不安など心理的症状の発生メカニズムや抑制へのアプローチを明らかにする研究、精神障害に関する認知機能障害に関する研究も行っていきます。

専門領域

発達臨床心理学、子どものメンタルヘルス、神経発達症の早期発見と支援

研究指導内容

私はこれまでに自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如多動症(ADHD)の早期発見を促すためのスクリーニング尺度の標準化や小中学校の児童生徒を対象とした子どものメンタルヘルスに関する縦断的な調査(前方視的コホート研究)を行ってきました。
ASDやADHDの特性を持ちつつも良好な予後を示す子どもたちの個人・環境因子の探索や、  学校を含む行政機関と連携した支援体制の構築等が興味のある研究領域です。  
個人・環境因子としては、子どもの抑うつや不安症状・攻撃性、Quality of Life、社会的資源の多寡、実行機能、スマート・フォンの利用等を考慮に入れて調査を進めています。  これらの関連領域に興味があったり、将来的に子どもの支援を行っていくことを視野に入れている学生さんを歓迎します。

専門領域

健康心理学、医療心理学、コンサルテーション・リエゾン

研究指導内容

身体疾患を抱える人への心理支援や、身体疾患および医療チームに関わる心理職の養成に関する研究を行っています。身体疾患を抱える人の心理社会的な問題が、身体的・精神的な予後に関連することが明らかにされており、現在ではさまざまな身体疾患を抱える人々への心理支援が実践されています。私は特に、臓器不全(心臓、肝臓、腎臓)を抱える患者さんへの心理支援や、慢性腎臓病を抱える患者さんにおける腎代替療法(透析や腎移植など)の意思決定支援に関心を持ち研究を行っています。
また、心理職の養成に関する研究では、身体医療領域で臨床実践を行う心理職のコンピテンシーと、その獲得プロセスに関心があります。医療チームや多職種連携による患者さんへのアプローチが進むなか、心理職が心理面接や心理検査などの直接的な支援に加えて、コンサルテーションなどの間接的な支援を実践できるよう、必要なコンピテンシーを身につけるための教育研修の構築を目指して研究を行っています。

専門領域

スクールカウンセリング,認知行動療法,心理アセスメント

研究指導内容

スクールカウンセラーとして勤務する上で必要となるアセスメント法や心理療法を研究しています。特に,問題行動の目的を詳細に分析し,有効な手立てを見出すために行う機能的アセスメントに関心があります。機能的アセスメントの応用場面は,多岐に渡っており,例えば,暴言・暴力行為,授業中の立ち歩き,朝の登校しぶり,登下校中のトラブル,不安の訴え,などに応用することができます。私自身は,こうした機能的アセスメントを誰でも容易に実施できるよう,アンケートの開発やインタビュー方法の体系化を行っています。

*博士後期課程兼任教員

修士論文について

大学院における修士論文のタイトルの一例です。どの教員の指導の下で、どのような研究が行えるかが分かります。ほかにも幅広い研究テーマに対応していますが、近年の代表的な論文に限定して掲載しています。

阿部 裕

  • 青年期における女性スポーツ競技者の摂食障害傾向の心理的特性および食統制の困難さに至るプロセス

  • 季節による気分の変化と身体的変化  -心理社会的要因からの検討-

  • 青年期におけるインターネット使用が「キレる」に及ぼす影響について  -解離傾向との関連から-

  • 青年期における恋人との関係認知が抑うつ傾向に及ぼす影響について  -怒りの表出および抑制という点から-

  • 自律性と情動コンピテンス及び境界例心性との関連について  -反映的自律性と反応的自律性の差異に注目して-

伊藤 拓

  • 思春期女子グループにおけるいじめのプロセス  -いじめの発生から終了までの経過といじめが起こりにくいグループの特徴の検討-

  • 過剰適応傾向の新たな尺度の作成と保護要因の検討

  • マインドワンダリングと抑うつの関連に影響を及ぼす要因  -脱中心化の緩衝効果・ネガティブな反すうの媒介効果の検討-

  • 防衛的悲観思考の受容および問題解決機能の認識と精神的健康の関連

  • 思春期女子グループでいじめを行った人の心理的背景,認知および行動

  • 大学生におけるサークル・学生団体へのコミュニティ感覚尺度の作成とメンタルヘルスとの関連

  • 能動的自己注目・受動的自己注目と抑うつ・自己受容との関係,および脱中心化の影響

  • 思春期の子どもに対するイメージが犯罪少年への態度に与える影響 ――理解不能イメージと可塑性イメージに着目して――

杉山 恵理子

  • 大学生における「居場所感の揺らぎ」と自己愛的脆弱性との関連

  • 高校教師のバーンアウトについて  -理想と現実の教師像のズレ、イラショナル・ビリーフ、多忙感との関連から-

  • 高齢の親を介護する主介護者の親子関係の変容  -Personal Authority in the Family Systemの観点から-

  • 青年期におけるアルコール依存傾向の高い者の気晴らしとしての飲酒行動のプロセス

野末 武義

  • 家族機能が心理的居場所感を介して青年の傷つけ合い回避に与える影響

  • 親の被養育経験と夫婦関係が子どもに対する養育態度に与える影響

  • 喪失体験からの回復過程における家族レジリエンスの要因の検討

  • ネガティブな被養育経験を補償する重要な他者に対する心理的居場所感の効果に関する検討  -青年期の親性準備性に与える影響に着目して-

  • 過剰適応者の親密性をめぐる問題とセルフ・コンパッションの関連

森本 浩志

  • インターネット依存傾向者を対象とした行動変容への動機づけと援助要請態度のサブタイプ別検討

  • 非定型うつ傾向者の対人場面における不安低減方略の検討 ―瞑想法と再評価法の効果の比較―

  • 青年期の心的外傷後成長が心身の健康に与える影響 ―自己知覚されたPTGにおけるヤヌスの顔モデルの検討―

  • 体験の回避と感情への恐れが離人感・現実感消失症状に及ぼす影響

  • 大学への移行におけるギャップ経験と自我同一性,アパシー傾向の関連――アクセプタンス&コミットメント・セラピーの観点から――

西園マーハ 文

  • 自閉スペクトラム症をもつ子どもの「安全基地」の変化と母親の育児ストレスの関連 ―療育施設の支援者との二者関係の役割の検討―

  • 透析患者の受容のプロセスに影響を及ぼす病状予期内容の検討

  • 大学生の身体接触場面における感情傾向、愛着スタイルと触覚抵抗の関連

  • コロナ禍における孤独感が就職活動不安に及ぼす影響 ――レジリエンスに注目して――

足立 匡基

  • 自閉スペクトラム症特性とメンタルヘルスおよびソーシャル・サポートとの関連における性差の検討

大学院進学を考えているみなさんへ~修了生からのメッセージ~

遠藤綾乃

2019年3月心理学専攻博士前期課程(臨床心理学コース)修了
現在、心理職として病院に勤務

臨床心理士と公認心理師の資格を取得し、心理士として東京警察病院で働いています。明治学院大学大学院では、「自己複雑性と反芻・省察」をテーマに、青年期においてどのような自己注目が心の健康に有効であるか、自らの仮説を立証すべく研究を行ってきました。大学院での実践的な研究・学びを通じ、現在の心理臨床家としての姿勢を体得できたと思います。
将来は、身体疾患の知識も身につけ、リエゾンチームの中で他職種と連携しながら入院患者さんを心の面からサポートできる心理士を目指したいと思っています。